ノルウェー語講師・青木順子さんのエッセイ > 2011
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恐怖の瞬間

人にはそれぞれ「怖い!」と感じる瞬間があると思います。

私には、海外に行くと「恐怖心」がマックスになる瞬間があります。暗い夜道?
何言っているか分からない変な人?ノン、ノン。(ノルウェー語だとナイ、ナイですね。)

それはずばり、「トイレに閉じ込められる恐怖」です。

トイレはお国によっていろいろと事情が変わるもの。
昔はよく、中国のトイレはドアがない、とかロシアのトイレは便座がない、
とか伝説のように語られてきましたよね。

私の場合、海外とはほぼノルウェーになってしまうのですが、
とあるトイレに入って、用を足して、さあ出よう、という瞬間にドアを
開けようとしても開かない・・・・という瞬間が本当に怖いのです。
その恐怖心というのは、様々なエピソードによって培われてきました。

恐怖のトイレドア-その1

私の場合は姉の友人です。イタリアのレストランの地下トイレで
彼女は「開かずのトイレ」に出会ってしまい、ドンドン叩いても出られない。
かなり騒いでやっと誰かに気づいてもらって何とか救出してもらった、
という話を聞き、「あ~、異国でのトイレって本当に怖い」と恐怖心を養われました。

そしてノルウェーで何度か、なかなか開かないトイレに遭遇しました。

恐怖のトイレドア-その2

段々、経験値が上がって、分かって来たことがあるのですが、
開かないトイレというのは、ドアを閉める際に早くも問題がある場合があります。
「なかなか閉まらないな~このドア」と思いながらも、無理やりドアを閉め、
さあ出ようとすると、ガチャガチャ、ガチャガチャ・・・。きゃ~開かな~い!
そのドアと格闘している間に、恐怖の映像が走馬灯のように頭を駆け抜けます。

この地下トイレ(カフェやレストランは地下トイレであることが多い)で、
誰にも気づかれず、一晩この狭いトイレで明かさないといけない、とか。

たとえ誰かに気づいてもらったとしても、ドアをどうしても外からも開けることができず、
ドアを壊すことになって、その賠償金を請求される、とか。

その場合によって違うのですが、「恐怖映像」によってますますパニックに陥り、
ドアを激しく開けようと奮闘します。

 ここまで恐怖心があるというのならば、じゃあ、本当に出られないで閉じ込められた
経験があるのでは?と尋ねられれば、それもノン(ノルウェー語ではナイ)ですね。
そうなんです、どうも他人の経験談を基に自らが勝手に培養した恐怖心、と
言えるかもしれません。

恐怖のトイレドアーその3

6月にフィンツアー主催のノルウェーツアーに出かけたのですが、「トイレのドア」事件は
私ではなく、参加者の方の身に起きました。某公園のカフェでお茶をしていて、
その方は少し離れた場所にあるお店のトイレに行きました。なかなか戻ってこないな~と
周囲が心配を始めた頃に、帰って来られました。どうも様子がおかしい。
聞けば、トイレに閉じ込められてしまい、必死に救出をアピール。幸いそこはチップ制の
トイレだったので、近くにいたチップお兄さんが異変に気づいてくれたそうです。
そしてバーナーでドアを開けてもらい、無事に出てくることができました、とさ。

というお話を聞き、「ひぇ~」とまた恐怖のエピソードを増やし、身を固くしたのは
言うまでもありません。

私自身は今回のツアーでは開かずのドアには遭いませんでした。
ただ帰国便のトイレで、なかなか閉まらないドアがあり、経験値に基づき、
そのトイレには入らずに出てきました。正しい選択だったと思います。

かわいいトイレドア(でも出られる?)

トイレの恐怖心ばかり語りましたが、ノルウェーのトイレは一般的に広くて衛生的で
不快な思いをしたことは、ごくわずかです。これはラッキーですよね。
さて、私の恐怖心はどこまで増長するか、今後の経験にかかってくると思います。
これを最後まで読んでくださった皆さまからの経験談もお待ちしていま~す♪

次回のサロンは9月17日(土)開催です。
タイトルは「ノルウェー人のライフスタイル~旅先で出会った人々の事例から~」。

6月のノルウェーツアーで出会ったノルウェー人たちを通し、彼らの多様な
ライフスタイルについてご紹介したいと思います。

ぜひみなさまのご参加をお待ちしています☆