ノルウェー語講師・青木順子さんのエッセイ
­

いい年だから祝いたい~ノルウェー人のお誕生日会~

日本人とノルウェー人と比較すると、いろいろな違いはあります。
その中でも、ノルウェー人の方が「自分の年齢をオープンにすることに抵抗がない」があるかと思います。
国民番号制で管理されて、バッチリ、生年月日が分かってしまうせいもありますが、女性でも堂々と「50歳よ」とかはっきり言うケースが多いですね。
そして年齢が如実に明らかになるのは、「お誕生日会」。
これも、ノルウェー人は日本人の感覚からすると、「いい年して、よくやるね~」というのが実情です。

日本では誕生日はレストランで、家族や友達で祝う、というケースが多いかと思いますが、ノルウェーでは「お家でお誕生日会」が普通です。家族や友人などを呼んで、「Gratulerer med dagen!」
(ハッピーバースデー)と歌っちゃったりします。
そしてノルウェーのお誕生日会に欠かせないバースデーケーキは、bløtkakeと呼ばれるものです。直訳すると「ソフトケーキ」ですね。
スポンジに生クリームをべっちょり塗って、上にイチゴやフルーツでデコレーションします。素朴だけどおいしいですよ。

バースデーケーキ

バースデーケーキ

お誕生日会はもちろん毎年、行いますが、キリのいい年齢は特に盛大に祝います。
まず25歳は、仕事を始めて、親元を離れる年頃。友達をたくさん呼んでカジュアルにお祝いする傾向があります。
次は30歳。25歳の時に比べて成長している年頃です。すでに家族を持つ人もいますし、仕事もさらに充実しています。25歳の時よりは、フォーマルなお祝いになることが多いようです。
40歳は、人によってはパーティ会場を借りて、ケータリングを頼んでお祝いする人もいます。スピーチもあるし、「なんかいい年だよね~」と実感できる頃でしょうか。
50歳、60歳とそれぞれの区切りで、盛大なお祝いは続きますが、75歳はおそらく盛大に祝う最後のお誕生日会でしょう。ほとんどの人はリタイアし、これまでの人生やこれからの余生に思いを馳せるのでは・・・と想像します。

子どもたちは無邪気にお祝い

子どもたちは無邪気にお祝い

私自身、ノルウェーで何回かお誕生日会に参加しました。
忘れられないのは、友達を訪ねた際に、彼女のお友達が60歳の大きなお誕生日会をする、というので、私まで招待してもらっちゃいました。
パーティスペースというほど華やかではない、でも素朴な造りの会場に、たっくさんの人が集います。食べ物・飲み物・デザートは、持ち寄りでした。私は日本人だから、「sushiはどう?」と提案され、巻きずしを持っていきました。もちろん、サーモン。あと奮発して、マグロも買いましたよ(ちなみに赤身です。トロはノルウェーでは入手不能です。)

持ち寄られた食べ物

持ち寄られた食べ物

会場の席は、事前に席順が決まっていて、何となく緊張しました・・・。
会が始まり、たくさんのスピーチ、あと歌う人もいて、段々、席から離れて、みんな思い思いに飲み物を飲んだり、食べ物をつまんで、いろいろな人とお話しします。
幸いに巻きずしは、食べて下さる人が多くて嬉しかったです。

・・・と「いい年してお誕生日会」が大好きなノルウェー人。
「お酒を飲む口実じゃない?」なんて、ツッコミは止めましょうね♪

集まったたくさんの人たち

集まったたくさんの人たち

10月期開始の「ノルウェー語&セレクトレッスン」の新規受講者お申込み、受付中です!初心者クラスは日曜15時半の枠で集中的に募集しています。ぜひ、秋から新しいこと始めませんか?
「ノルウェー語&セレクトレッスン」の詳細は、こちらからご覧下さい。

10/8(火)にノルウェーの大人気ニットデュオデザイナー、アルネ&カルロスのファンミーティングを行います。彼らの著書「北欧のガーデンニット」の日本での出版記念で来日します。
少人数のファンミーティングは、この機会だけですので、ファンの方はぜひ駆けつけて下さい♪
「アルネ&カルロスのファンミーティング」の詳細はこちらから。

Twitterやっています。Follow me!