ノルウェー語講師・青木順子さんのエッセイ > 未分類
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通りの名前

日本に来た外国人は、住所だけを頼りにお目当ての場所を見つけるのが難しいだろうなぁ~と思います。
住所標識がちゃんとあるところ、ないところがバラバラで、特に繁華街はわかりにくいですよね。
その点、ノルウェーは、目的地探しは至ってシンプルです。
通りの標識がきちんと貼ってあり、道をはさんで左右どちらが奇数・偶数の番地と揃っています。さすがに方向オンチの私でも、それほど苦労せず目的地にたどり着けます(でも迷った経験はありますよ~)。

住所の標識

住所の標識

 ノルウェーの住所で多いのは、~vei(ヴァイ)=「道」、~gate/gata(ガーテ・ガータ)「通り」ですね。
オスロで一番の目ぬき通り=ノルウェーで1番の目ぬき通りの名前は、ご存知ですか?
はい、「Karl Johans gate」=「カール・ヨハン通り」です。カール・ヨハンは、スウェーデンがノルウェーを統治していた19世紀のスウェーデン・ノルウェーの国王ですね。

 ・・・ということで、通りの名前の意味が分かると散策も面白い!ということで、オスロ(と郊外)の目についた通りの名前をご紹介しましょう。

家に貼ってある住所プレート

家に貼ってある住所プレート

 地図帳を眺めて「多いなぁ」と感じるのは、著名人の名前をそのまま通りの名前にしているケースです。
ノルウェーが生んだ世界的3人は、もちろん通りの名前になっています。
・Henrik Ibsens gate「ヘンリック・イプセン通り」・・・「人形の家」などで知られる戯曲家。
・Edvard Griegs allé「エドヴァルド・グリーグ通り」・・・ノルウェーが生んだクラシック音楽作曲家
・Edvard Munchs vei「エドヴァルド・ムンク通り」・・・「叫び」などで知られる画家

グリーグの名前由来の通りがオスロにあるのは、ちょっと意外でしたね。
彼はノルウェー第2の街ベルゲンのイメージが強かったので。
では、男性ばかりではなく女性著名人の通りをピックアップしましょう。
・Camilla Collets vei「カミッラ・コレット通り」・・・ノルウェー初の女性職業作家
・Dronning Mauds gate「マウド女王通り」・・・ノルウェー独立後初の女王。もともとは英国王室出身(なのでノルウェー人は英国びいき)

観光地の標識

観光地の標識

 ・・・地図を見ていると、それこそ無数の人名由来の通りがあります!これは欧米ではよくあるかと思うのですが、なんで日本にはないのでしょうね??いろいろ問題があるのでしょうか?

 さて他にも、地名を見ていると、「そのまんまじゃない!」とツッコミたくなる通りの名前がありました。
・Arbeidergata「労働者通り」・・・労働者がたくさん歩いていたのでしょうか?
・Apotekergata「薬局通り」・・・薬局が多数、並んでいた通り?
・Kirkeveien「教会通り」・・・まぁ、教会につながる道ですよね。

「まんま」よりは、もうちょっと風情を感じる通りの名前をご紹介しましょう。
・Vårveien「春の道」
・Sommerveien「夏の道」・・・オスロではありません
・Vinterveien「冬の道」
惜しい!「秋の道」がなくて残念!

ノルウェーらしさを感じる通りの名前もあります。
・Vikingveien「ヴァイキング通り」・・・日本で「侍通り」は考えられない・・・。ですよね?
・Trollstien「トロール小道」・・・やはりノルウェーと言えば「トロール」?

可愛い通りの名前も見つけました♪
・Jordbærveien「いちご通り」・・・郊外なのですが、「いちご通り殺人事件」というタイトルのミステリがあったら面白そう!
・Fuglesangsveien「鳥の歌通り」・・・オスロではないのですが、鳥のさえずりが聞こえてきそうな雰囲気ですね。

 あとデートにぴったりの地名が・・・・
・Kjærlighetsstien「愛の小道」・・・シャイな人には住めない通りですね~。

私がオスロで一番好きな通りの名前は・・・Sorgenfrigata「悲しみのない通り」です!
留学時代にお世話になった日本人の方が、この通りに住んでいました。今では世界的なミステリ作家になったジョー・ネスボも同じフラットに住んでいたそうですよ。もしかして本当に悲しみとは無縁の出世通りなのでしょうか?

・・・・と少しでも意味が分かれば散策もより楽しくなりますね~。

4/19の「ノルウェーについて学ぶサロン」は、2011年7月22日のノルウェー大量テロの実行犯について詳細につづったノンフィクション本を紹介し、改めてあの惨劇はどうして起きたのか?をプレゼンします!

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