外国人が体験する「ノルウェーで働くこと」
ノルウェー留学中には、あまり気づかなかったのですが、ノルウェーの帰宅ラッシュ時間は、すでに14時台から始まっています。15時、16時となってどんどんピークになります。
「なんでこんなに早い時間に?」とフシギがる外国人。
ノルウェーの一般的な就業時間は、8時~16時です。残業は、あまり一般的ではありません。みんな、「我先に」と急いで家に帰る姿は、「執念」すら感じますね~。
こうした風景はノルウェー人にとっては、「ごく当たり前」ですが、カルチャーショックを受ける外国人は少なくありません。
新しくコカ・コーラ・ノルウェーの社長に就任したベルギー人も、当惑した様子で語っています。
「ロスでは、18時半前にオフィスを出ると、冷たい目で見られた。ブリュッセルでは、17時半までオフィスに残らないといけなくて、ロンドンでは17時前に帰宅する人は誰もいなかった。でもノルウェーでは、16時に帰宅する人が大勢いる。15時すぎのミーティングに呼ばれることに、みんなは慎重だ。16時に帰れるか分からないから。」(Aftenposten紙、2013年10月27日)
アメリカは、ヨーロッパより長時間労働というのはイメージで分かりますが、同じヨーロッパでも、ノルウェーはさらに「早く帰れる国」のようですね。
同社長は「早く帰る」ために、ノルウェー人は「とても効率的」とも驚いています。「たとえ100%会議の準備ができずに臨んでも、きちんと結論を出す。ノルウェー人は本当にユニークだ」と。
そして「早く帰れること」が、生活全体にどんなことをもたらすのか、彼は熱く語ります。「まず生活の質が上がった。これだけ早く帰れると、いろいろなことをすることが可能になる。例えば、毎日、妻と一緒に夕食を作ったり、夜にはクロスカントリーを楽しんだり。ともかく幸せだよ。」
このベルギー人の社長に限らず、ノルウェーで働く外国人は増えています。
ポルトガルからノルウェーへ移住し、14か月目の男性は、ウェブ会社で働いていますが、驚いたこととして、「コーヒーを飲み、ワッフルを食べながら、職場でリラックスできること。」を挙げています(Aftenposten紙、2013年10月27日)。
さらに、「柔軟性」を挙げる外国人も多いです。
誰が上司で誰が部下なのかよく分からないし、部下でも自分の意見を述べることができる権利がある、職場が「民主主義的」、女性は長い産休があり、男性にも「パパの育児休暇」が保障されている、などなど。
これらの事実も、ノルウェー人には小さい時からやはり「当たり前」のことかもしれません。学校では先生をファーストネームだけで呼ぶのは普通のことです。また、授業の内容に不満があれば、躊躇せず、先生に意見します。そんな光景に驚いたのは・・・はい、私です!
日本でも、ここ数年、「ワークライフバランス」という言葉が流行っています。私の友達が勤める会社でも、「残業禁止」にしたそうですが、それでは仕事が終わらないので、代わりに朝すごく早く出勤している、と聞いて、「なんか違う」と感じました。
日本でも当然、長すぎる労働時間の改善や出生率を上げようと様々な施策を試みていますが、それほど効果は上がっている印象はありません。
制度だけ北欧をまねても、根底に流れる「精神や価値観」を変えないと無理かなぁ、という気がします。
そしてそれは一朝一夕で身につくものではなく、小さい時からの「積み重ね」が必要でしょうね。
両親がともに仕事から早く帰り、家事をする姿を見て、学校では先生と対等の立場で意見をする。
一種の「ノルウェー流英才教育」と言えるかもしれません。
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2013年11月7日1:34 PM
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