ノルウェー語講師・青木順子さんのエッセイ
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ノルウェーの冬

冬の日本に来たノルウェー人によく言われます。
「日本、意外と寒いね。特に家の中」と。
地球の北の果ての人たちにそんなことを言われると、「え~!」と反発したくなります。
ノルウェーは日本よりずっと北に位置していますが、メキシコ湾流のおかげで、とりわけ沿岸部は、想像よりも寒くはありません。ずっと寒いのは、内陸部。中でも、世界遺産で知られるローロス(Røros)は、マイナス30度、40度にもなるとか。はい、凍ったバナナで釘を打てる世界です(たとえが古い・・・)。

ローロスの景色

ローロスの景色

で、ノルウェー人が日本の家を「寒い」と言うのは、一理あります。ノルウェーの家は、パネルヒーターや暖炉、薪ストーブなど各種、暖房装置がそろっていますし、窓も寒さに強いタイプ。ですから家の中はいたるところ暖かく、思いのほか、薄着で過ごしているのです(極端な人はTシャツ1枚とか)。

リビングには暖炉♪

リビングには暖炉♪

こんなエピソードを聞きました。私の知人(日本人)がノルウェーに滞在中、旦那さんが現地のノルウェー企業に勤めていました。旦那さんがオフィスに最後まで残ったので、暖房を切って帰宅したところ、翌日、「暖房切っちゃダメでしょ!」と注意されたそうです。何でも暖房を切ってしまうと配管が凍ってしまうとか。この辺りは伝聞なので諸説あると思いますが、ノルウェーでは「暖房つけっぱなし」が許されるのは、アリですね(私自身、学生寮のパネルヒーターは1日入れっぱなしでした)。
ところで、こんなに電気を使って、電気代大丈夫?と心配になりますが・・・。
ノルウェーは、水力発電で国内の電気をまかなっているので、意外と電気代は安価みたいですね。
もうずいぶん前に参加したオーロラツアーで現地ガイドさんが、「日本に赴任したノルウェー人が、ノルウェーと同じ感覚で電気を使っていたら、20万くらいの請求が来てびっくりした」という逸話を今でも覚えています。

クリスマスの窓辺

クリスマスの窓辺

あとノルウェーの家で印象的なのは、家の外に温度計を設置していること。窓を開けながら、「今日は何度ね~」と確認します。みんな、「今日は何度だ」と話題にするのが好きなのね、という印象があります。
その割に、天気予報で発表される気温が13時の気温のみで、日本のように最低最高気温は教えてくれません。最低気温を発表すると、国民の労働意欲が削がれるから、わざと秘密にしているのかなぁと邪推しています。

幻想的な冬景色

幻想的な冬景色

冬につきものなのは、雪ですね。ノルウェー語ではsnø(スヌー)と言います。
留学中、雪にはずいぶんお世話になりました。年によって大きく違いますが、私が住んでいた時にはすでに10月に雪が降ったのです。
除雪作業は、市町村の仕事。除雪車が雪かきをして、道路に砂利をまくのです。転倒防止のためですね。
雪に慣れない私は、もう何度も滑りました、転びました(受験シーズンに禁句?)。その結果、足のいたるところに青あざだらけ。凍結した道は恐怖以外のなにものでも、ありませんでした。
それでも雪にはいいところもあります。
ノルウェーは冬に日照時間が短くなりますが、雪があると明るくみえます。そして、ノルウェーの家の窓辺は、キャンドルなどで可愛く飾っていますが、それと雪景色がマッチするんですよね。
そして冬至を過ぎると、だんだん、日が長くなって気持ちがUPしていきます。「生きていて良かった~」としみじみ。あの何とも言えない幸福感は、長くて暗い冬があって初めて体験できるものでしょう。
寒い時に、寒い国も乙なものです。

これなら滑ってOK!

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雪上でにゃ~

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